サポートをする立場として
第8回産業論文コンクール 優秀賞
(株)サンロード 笹木 知佳さん
私は、誰かのサポートをし、縁の下の力持ちとして役に立てる仕事がしたくて「営業事務」という職種を選んだ。
どの職種もそうだとは思うが、研修時はただただ先輩社員に教えてもらったことをノートにメモしていくばかりで、今教えてもらっていることが一体業務の中でどういう意味があるものなのか、どのタイミングでやるべきことなのか、全くと言って良いほど分からずにいた。業務内容を「理解する」ということではなく、「覚える」ということに必死になっていたのだろう。実際に全ての業務を自分一人で行うようになってから、やっと「あの時教えてもらったことがここに繋がるのか!」という発見が出来るようになる。ただ、「営業事務」という職種に就いたからには、それで満足して仕事を続けていくというのではいけない。自分の担当する営業のサポートをし、いかに営業活動をし易い環境を作っていくかが大事だと思う。具体的に何が大事であるか、三つに分けて考えてみた。
まず一つが、依頼を受けた業務を迅速かつ正確に処理することである。ただ速く処理すれば良いわけではなく、正確にということが大事で、また難しいことだと思う。研修中や業務をやるようになった当初は、「これで本当に合っているのか…」と常に不安であった為、何度も確認作業を行っていたが、慣れてくると変に自信が付いてしまい、勝手な思い込みで業務を進めてしまうことが多々ある。それがミスに繋がったり、周りに迷惑をかけることになったり、そのミスを解決する為に必要な処理をしなくてはならなくなってしまい、それに時間を割いて業務の効率まで落としてしまうことになる。仕事に慣れてきた時こそ、自分の仕事のやり方を見直し、自信を持って「これで間違いないです」と言えるようにしなくてはならない。
二つ目は、迅速ということにも繋がるかと思うが、業務の効率を上げるということを常に考えて行動することだと思う。出来るだけ無駄を省き、誰が見ても分かる仕事を心掛けなければならない。その為には、パソコンの知識も無いといけないと思う。自分もそんなに知識があるわけでは無いので、何か処理で困ったことがあったり、何かもっと簡単で分かりやすく、正確に出来ないものなのか?と疑問に思ったことがあれば、詳しい先輩に相談して解決するようにし、次に生かす努力をするようにしている。机の上や引き出しの中など、身の周りを常に整理整頓するという意識も持っておかなければならない。
営業事務という仕事は、自分が日々しなければならない業務をこなしつつ、営業から依頼される業務もこなしていかなくてはいけないので、自分の業務だけにひたすら時間を費やしていてはいけないと思う。依頼された仕事にすぐ対応出来るよう、常に時間に余裕をもって仕事をする努力が必要である。それを心掛けることにより、残業時間の短縮にも繋がると思う。「節電」ということが呼び掛けられている今、無駄な残業をせず、優先順位をしっかり考えて、仕事は業務時間内に全て片付けるということを目標に日々業務を行うことが大事だと思う。
そして三つ目は、「営業事務」とは営業を補助し、支えるということが一番大事な仕事だと思う。その為に自分は何が出来るのか、何をしなければならないのかを考えて行動しなければならないということである。
『ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)』を欠かさず、積極的にコミュニケーションをとることが大事だと思う。
自ら進んでコミュニェーションをとることにより、常にお互い情報を共有することが出来るし、ミスを事前に回避出来るということもあるだろうし、営業にとって働きやすい環境を作ることも可能であると思う。電話などでお客様と接する機会も多い為、お客様からの要望があれば、その内容を即座に理解し、正確に営業に伝えなければならない。
更に、依頼された仕事をやっていく中で、何かおかしいなと思ったことや、確かこれはこうではなかったかと思うこと、こうすればもっと良いのでは?など、疑問に思ったことは即相談しなければならない。おかしいと思ったまま仕事続けていてはお互いの為にならないので、営業と事務の両方がより良い仕事環境を作っていく為の最善の方法を共に考えていくことが大事だと思う。
自分は会社の一員としてまだまだ未熟であると思うので、会社の利益に繋がるような貢献は出来ないかもしれないが、ただただ与えられた仕事と日常業務だけをこなすだけではなく、以上で述べた三点をしっかり頭に置き、これらを実行する努力をし、会社の誰からもいてくれて良かったと必要とされる、「縁の下の力持ち」でありたいと思う。