生産技術課に在籍して
第4回産業論文コンクール 努力賞
(株)ヒラノテクシード 吉川 麗子さん
平成19年4月に株式会社ヒラノテクシードに入社させていただいてから、一年半が経ちました。この短い間に、世間では色々な問題が起きています。そのなかでも、一番印象に残っているのが、食品偽装問題です。この問題は、私たちの食を脅かす深刻な問題にも関わらず、一件、二件だけでなく、幾度となく私たち消費者は悩まされてきました。このような偽装が何故起こりえたのか、疑問が深まるばかりです。企業は販売する製品に自信を持ち、その為には、品質の管理を徹底し、改善するべきだと思います。
さて、今回の論文では、私が在籍している、機械製造業における生産技術課の役割として、三つの例を挙げさせていただき、説明させていただきたいと思います。
まず一つ目に、設備の選定と導入です。これは、製造業には欠かせない投資であり、よりその企業にあった設備を選定し、導入することによって、これからの製品への影響も大きく変わることになり、たくさんの知識が必要になると思います。
二つ目に、技能・技術の教育です。が、まず、「技能」とは、「技術」とは何かを調べてみました。「技能」とは、物事を行う腕前、「技術」とは、物事を巧みにしとげるわざだそうです。これらの意味を改めて考えると、技能・技術の教育とは、資格を取ったり、使い方を説明するだけではなく、「技術」は先輩方から若い世代の方へと伝承され、受け継がれる、まさに企業にとっての財産であり、決して途切れさせてはならない物だとおもいます。そうした伝承によって「技能」が身に付いて行くのだということがわかりました。同じように安全に対する意識もまた、自らの技術力を上げる為には、必要不可欠な知識であり、製造業においては一番大切な心構えだと思います。
そして三つ目は、品質管理についてです。品質管理には2つの分野に分かれます。
まずは、今ある製品の問題点の解決、改善の技術を提案することです。もし、すべての製品が完璧であれば、それに超したことはないでしょう。しかし、それでは商品の開発や、改善に目を向けることはありません。問題が発生した時こそ、その技術は力を発揮し、新たな知識を得ることができます「ものづくり」を行う以上、ユーザーの求める商品を開発し、ユーザーの求める商品に改善し、ユーザーの求める、常に良い商品を提供できるよう心がけなければいけないと思います。その為には、問題点を確実に捕らえ、解決策を提案し、改善されることを怠ってはなりません。
そして、もう一つは、部品を検査することです。製品になるには、色々な部品が取り付けられています。各部品によって、検査の内容は違いますが、ひとつひとつに目を向ける、そうした積み重ねが、製品としたとき、より良い商品が出来あがるのだと思います。
まだまだ入社して、未熟ではありますが、生産技術という職務を知らなかった私にとって、一つ一つが新たな発見であり、少しづつですが理解し、自分のやるべき事を探している毎日です。「ものづくり」にたづさわることが出来る事へのありがたさも、今回、この論文を通して、改めて気づいたように思います。「ものづくり」とは、代々受け継がれてきた技術の賜物で、いきなり出来上がるものではありません。だからこそ、新しい発見や提案をして、次世代へ繋げていかなくてはならないのだと思います。
こうした日々の努力がユーザーに受け入れられ、製品となったとき、最終的にはエンドユーザーとして消費するのは、私たちであり、安心して求めることができるのだと思います。常に良い製品をユーザーに提供し、安定した生産を行うことが出来るよう、生産技術の一員としてこれからも努めていきたいとおもいます。