私生活の充実と仕事
第16回産業論文コンクール 努力賞
株式会社タカトリ 松本 陽 氏
私生活の充実と仕事
社会人は大変だと幼少期の頃から漠然とイメージしていました。昔から夜遅くに親が仕事から帰り、疲れた姿を見てそう感じていました。ですが、自分が働きだすのは、もっと先の話で全く関係のない事のように考えていました。そして、十数年が経ちいざ自分がその社会人になりました。大学を卒業し、4月に入社してはや4ヶ月が経ちました。様々な部署で多くの方に仕事を教えていただきました。そして、社会人として、毎日働いてみて感じた事があります。それは、幼少期から考えていたよりも仕事に対し、過度な疲労やストレスを感じていないことです。理由を考えた時に、自分がタフだから、仕事が自分に合っているから、と色々考えましたが、一つ思い当たる事がありました。それは、プライベートな時間の充実ではないかと思いました。理由としては、平日は疲れた体を休ませるためにすぐに就寝し、休日も買い物に行ったり、友人とオンラインゲームをしたりと、自分なりに充実した時間を過ごしています。実際、心身ともにスッキリした日の翌日の仕事はテキパキと効率的に業務をこなしています。ですが、私も寝るのが遅くなったり、土日の休みにやることがあったりと、あまり充実した休みではなかった日の翌日の仕事は、ぼんやりする時がありました。また、眠さを感じミスを起こしてしまうこともあり、その日はストレスを感じることもありました。
こうした、疲労やストレスを感じず仕事を効率的にこなすには、仕事とプライベートな時間との両立が必須だと感じています。昨今では、働き方改革の一環で、年間10日以上の有給休暇保有者は、最低でも5日以上は休まないといけないように義務化され、今年の4月からは、時間外労働や休日労働についての規制も厳しくなったそうです。このように令和になってから、少しずつではありますが働き方改革の動きが出てきています。
実際にプライベートな時間を確保できたことによるメリットが大きく3つあると考えます。
一つ目は、前述の通り仕事の効率化です。私もよく休めた次の日は、集中できいつもよりも仕事が進み、時間が経つのも早く感じます。心身ともに余裕がある状態だと、仕事に集中できケアレスミスの抑制にも繋がると考えます。また、ミスが減ることによるストレス軽減にもなります。ですので、今は睡眠を十分に取ることを考えています。
二つ目にキャリアアップです。新しいことに挑戦する時間や機会が増える事で、知識の向上や資格取得によるキャリアアップに繋がり、仕事に対しても役立つ場面が増えると考えます。また、自分に自信がつき仕事に対しても前向きになると考えます。社会人になって改めて勉強がしたいと思うことが多々ありました。私も時間がある時は、英語の勉強をして自分の可能性を広げることに、時間を使っています。
そして三つ目に、発想力の向上です。プライベートな時間の中で、良質な睡眠とストレス発散をする事により、発想やアイデアが生まれやすくなります。常に体力的にも、精神的にも余裕があるからです。また、二つ目のキャリアアップに関連して、知識の向上による相乗効果で、より良い発想ができます。
こうした、プライベートな時間の充実によって、仕事の生産効率や意欲向上だけでなく、仕事に対してのメンタル維持になります。ひいては会社へのメリットにも関係してきます。
私はタカトリに入社し、十分な休みを頂き充実した時間を過ごせています。実際に入社してみて、働いてみて感じる事や、気がつく事が多くありました。改めてこの4ヶ月を振り返ってみて、恵まれた環境だと感じつつ、幼少期に抱いていた、イメージは払拭されました。
こうした経験から改めて考えさせられたのは、日本は長時間労働が当たり前になっているところがあります。この問題は解決しようにも簡単にできる事ではないと思います。働き方改革で緩やかにでも改善しているものの、まだ足りないところです。そして、一人一人がプライベートな時間、充実した時間が何よりも大切だと感じながら、週末の休みを楽しみにして、働ける環境が広がればいいなと思います。
また、自分自身も限られた時間の中で、いかに充実した時間を過ごせるかを今まで以上に考えて、そこで蓄えたものを上手く仕事に反映できればと思います。
プライベートな時間がしっかりとあることと、さらにその時間を充実させることで、仕事が成り立つのだと感じた、この4ヶ月でした。